料理歳時記
文:曽根雅典[三軒茶屋nicolas] 絵:佐々木裕 鰯 「その目線の先に目をやると、左の乳頭のそばに雲母のようにきらきらと光るものが見えた。英則はその欠片をつまみ、窓からの光にかざした。鉱物ではなく小さな魚の鱗だった。… 料理歳時記 の続きを読む
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文:曽根雅典[三軒茶屋nicolas] 絵:佐々木裕 鰯 「その目線の先に目をやると、左の乳頭のそばに雲母のようにきらきらと光るものが見えた。英則はその欠片をつまみ、窓からの光にかざした。鉱物ではなく小さな魚の鱗だった。… 料理歳時記 の続きを読む
文と写真:碇本学 長い夢の中を泳いでいた 時折シャチやクジラやイルカと一緒に遊んだ 水中から見えた太陽は ゆらゆらと揺れていた 水面に近づくほどに青は薄く透明に 潜っていけばどんどんと濃く 青から紺へ 緑から黒に 色彩は… 飛散 の続きを読む
文と音楽:田辺マモル 「上板橋」と歌ってみたのは思いつきではなく、僕にとってそこは思い出のある駅だからだ。もう30年以上も前の話になるけれど、埼玉から京浜東北線、赤羽線、東武東上線と、電車を三つ乗り継いで東… 名前も呼べなかった人 の続きを読む
文:アジコ どこかに長く暮らしたことがない。 幼稚園から高校を卒業するまでの14年間は母の田舎で暮らしていた。14年は十分に長い年月なのだけれど、もしかすると本当は暮らしていなかったんじゃないかと思えるほど、その時期の記… それも個性ということで。 の続きを読む
その先になにがあるの? 見上げた空からこぼれ落ちる月。 光を掬おうと手をかざしてみる。 余命幾許かのため息交じりの歌が聴こえる。 そこにいるのは誰? 正しいものが正しい世界ならわかりやすくていいのにな。 この先はどうなる… tell me a little / David Mark の続きを読む
文と絵:山田タクヒロ 『これ、いいアルバムだな。ずっと廃盤だったなんて、 もったいないよね‥‥ねえ、聞いてる?』 「うんうん…、今夜は月がきれいね。」 『このレコードが再発されるまでに、大変な道のりがあったんだから、 ち… 『RECORD JUNKIE ANIMALS』 夜の散歩をしないかね (RJA-002) の続きを読む
文と写真:碇本学 声でわかるのよ でもさ、声って空気の振動みたいなものだね うん、そのゆれているものをうまくキャッチして 理解するから いや、知らないうちにわかってる そう、そんな感じ テレパシーみたいだよね うなずく代… 振動覚 の続きを読む
文:重藤貴志[Signature] 運動不足の解消と気分転換を兼ねて、 できるだけ散歩に出るようにしている。 ずっとPCの前に座っていると、どうしても気分が滅入ってくる。 キーボードを叩き続けていても、筋肉が鍛えられるこ… 石に似たもの の続きを読む
文と絵:小林賢恵 彼女は誕生日にドクターマーチンのブーツを手に入れた。 8ホールの黒。ずっと欲しかったブーツ。 その日、彼女はチャイムが鳴ると教室を飛び出した。 クラスメイトに「バイバイ」と言いながら、早足で机と机の間を… Just a 16 の続きを読む
文:庄野雄治 題字:河村杏奈 マンハッタンブリッジにたたずんで/佐野元春 わたしの半分は佐野元春で出来ている。 生まれて最初に買ったLPレコードは大滝詠一の「A LONG VACATION」だった。 音楽と… 往復書歌 の続きを読む