惑わされて
文と写真:碇本学 つめの薄皮を剥く 半開きのまぶた 陥没した乳首に溜まる蜜 ぞわりと毛羽立つうぶ毛 段々畑のような雲空に カーテンのような光が差して 惑わされて紅葉 落ちているお菓子のチョコレートのトレイ 動物病院には飼… 惑わされて の続きを読む
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文と写真:碇本学 つめの薄皮を剥く 半開きのまぶた 陥没した乳首に溜まる蜜 ぞわりと毛羽立つうぶ毛 段々畑のような雲空に カーテンのような光が差して 惑わされて紅葉 落ちているお菓子のチョコレートのトレイ 動物病院には飼… 惑わされて の続きを読む
文と写真:碇本学 片方の翼だけ残された 路上のサイクル あの日僕らのうえに堕ちてきた不安 中性脂肪がにじみ出すような 財務整理が追いつかない アンドゥトロワ 風が強い日の 灰色の空 塵がふきとばされて 視界がクリーンに … アンドゥトロワ の続きを読む
文と写真:碇本学 乱暴なままぶつかってくる 遊び疲れることのない 太陽の光は 平成最後の夏 アスファルトに強い影伸びる 日陰に立ち止まる人たちの細い目 Tシャツを染めていく汗 ポタリと落下して 交差点の中心で蒸発する い… 白いライン の続きを読む
文と写真:碇本学 走行中の車から手を出して 感じる風の気持ち良さ BGMは少し早い夏の風物詩 いつだって 自分の弱さを隠すように話し続けて 守っていたものは 簡単に吹き飛ばされてしまった 君のものなんて なにひとつ なに… なにひとつ の続きを読む
文と写真:碇本学 境界線を越えるには いつも勇気が必要だと言われていた かつての話 勇気を勇気と思わない存在がいたら 旧市街から新市街へ 言葉では通じ合えない気持ちも おざなりになっていた旧習も いつでも崩壊して 自分の… 新市街 の続きを読む
文と写真:碇本学 指のすきまを通り抜けていく やわらかい髪 小さな頭蓋骨だなって思って抱きしめた あの頃のことを思い出させる 桜の散りかた パスケースをなくしてパニクった目黒川沿い 涼しい風が狭い道路を駆け抜けて 人々の… あたらしく の続きを読む
文と写真:碇本学 街路樹の小枝にひっかけられたベビーソックス 視線を見上げると航空地図という文字が ビルの窓ガラスに書かれている 歩き続けるという通過儀礼 その果ての三叉路 知らぬ間にマヨイガに行けるわけでもなく 神隠し… 空に、ふる音 の続きを読む
文と写真:碇本学 誰かの悪意に感づいてしまった 平坦なツラをしてるのに かすかに溢れ出すそれを すくい取って僕の中で転がす とても簡単に潰せそうなそれを 愛おしくも思えるほどに 冬がもうすぐ終わる予感 水面が揺れて 波紋… 波紋 の続きを読む
文と写真:碇本学 寝起きの色彩が舞いだしてくる 光のハレーション まっすぐに見つめてはいけない 水辺の近くにはいつも鳥がいる 様々な種類のくちばしと羽たち ひゅるり と角度を変えて 夜を連れてくる 朝が来るまで 鳥たちは… 祈るような の続きを読む
文と写真:碇本学 息を吐きだすと 白くフワァっと消える 冬の朝のにおい エンドレス 足早に駅に向かう人たち 濡れたあとのアスファルト お店の開店準備の店員さんは 足を引きずっていた 老婆と 真っ白い老犬が散歩していて 背… エンドレス の続きを読む