『RECORD JUNKIE ANIMALS』 The Greatest Living Englishman (RJA-003)

文と絵:山田タクヒロ

『お、傘を持って来たんだ、用意がいいね、アンディ。』

「ハハ、君こそ服はぬれてもレコードはぬらさず。
どこまでもイングリッシュマンだね、マーティン。」

『しかし、せっかくロンドンまで来たのに結局私たちが行くのはレコードショップか…。
アンディ、私たちはまるで音楽の塔に囚われた罪人みたいだね。』

「さすが詩人先生。でもそんな罪人なら悪くないね。
ノンサッチな牢獄暮らしさ。」

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The Greatest Living Englishman/Martin Newell(1993)

詩人であり、シンガーソングライターのマーティン・ニューウェルが、XT Cのアンディ・パートリッジと一緒に作り上げた、至極の英国ポップアルバム!
発売当時はCDとカセットでのリリースらしい。

いい曲満載っていうか、もう収録曲のほとんどが名曲なんだけど、その中でも僕が好きなのはタイトル曲の
「The Greatest Living Englishman」

はじめて聴いたのは大学生の時、友達が作ってくれた80~90年代編集テープの中にこの曲はありました。
エレピと電気っぽいドラムが印象的なイントロから、陰りのあるAメロ、ブリッジで高まる期待感。
しかしなんといってもハイライトは、ブリッジからサビに入った瞬間の不思議な心地よさ!
その一瞬のカタルシスを味わいたくて、ついついCD棚からこの1枚を取り出してしまうのです。

余談だけど、マーティンが自分のCDと野菜を交換したりしてたって話、どこで読んだんだっけ。。
今でも気になるエピソード。