白いライン
文と写真:碇本学
乱暴なままぶつかってくる
遊び疲れることのない
太陽の光は
平成最後の夏
アスファルトに強い影伸びる
日陰に立ち止まる人たちの細い目
Tシャツを染めていく汗
ポタリと落下して
交差点の中心で蒸発する
いつも歩く職場までの道
太陽の光は
ずっと右側にあるから
眼鏡のテンプルにそった
右側だけ日焼けのライン
そこだけ白くて
焼けてしまった部分との境界線
どこかの部族みたい
トライバルの証だぞ、これは
耳からまぶたの端まで
白いライン
大都会の交差点
太陽の光に信仰を求めた
太鼓のリズムに合わせて踊るように
この身体から
交差点の中心で
白いラインが
ポタリと落下して
地面を染める